〈デザイナーのコメント〉 エッジの聞いたルーフデザインやシンプルで重厚感のある柱に負けないように、壁やアプローチには自然石を合わせ、抜け感を大切にしながらフォーカルポイント(庭の中で最も目を引く場所)を作り、かつその奥にもアイストップ(視線を引きつける目印)になるものを作りました。
アーチから望む森の借景に見立てた植栽、敷地と建物をつなぐエクステリアにより、美しいファサードデザインを目指しました。
〈審査委員のコメント〉 外構素材のエレメントをこれほど多種多様に使い分け、コラボレーションデザインとして密度高く完成されたデザインに驚きです。
石板をスリット浮上させた延べ段とロックガーデンとの対比、そして絶妙に配置された植栽。
その上部には、内外の境界を示すようなフラットルーフ。
さらにその左右に多彩な外構柵が配置され、心地よく目を驚かせます。
夜間の照明レイアウトは、まさに明かりが遊ぶが如くで、陰影の美しさにもう一度楽しい驚きを覚えます。
意外性と二面性を持つ、密度あるガーデンデザインです。
〈審査委員コメント〉 外部空間構成や素材の利用法などに多要素が散りばめられ、他にない個性とインパクトを持ち合わせています。
住まいの価値を明確に提案し、実現された作品です。
与えられた外部空間を余すところなく活用し、かつ細部まで行き届いている設計力や、目を見張る独創性は評価に値します。
敷地規模に見合った樹木の選択もやわらかな印象を醸し出しており、この場所に滞在する快適さは格別なものだろうと想像を膨らませてくれます。
〈審査委員コメント〉 空け間が絶妙です。見えそうで見えない。そのため重厚感よりも、むしろ解放された良い意味での軽さがあります。また、植栽のバランスも非常に良い。
さらに門扉の前後感覚、高さバランスも素晴らしいものです。夜もまた格別。昼間は外構のデザインとなっている部分が、夜は照明になるあたりは、デザイナーの緻密さを感じました。
家は閉じるより、むしろ外に開くべきと考えます。本作品は、家族を守りながらも境界をなくして街並みに溶け込む、『外に開く家』の教科書ですね。
施工フォトコンテスト 冊子より